夢の中の囁き

 

 

 

 

 

 

 

あの事件が終ってから親友達と共に高校を卒業し、
椰代と大学を共に過ごす生活を続けてしばらく経った…

 

 

なんだろう…最近寝ている時に椰代が自分に
好意の言葉を囁いてる夢をよく見ている気がする、
また思い出しては隣の椰代を夢の中の彼と見比べる

 

 

明(いつも落ち着いていて穏やかな表情をしてる…
  でも、夢の中では真剣で、でも複雑そうな顔をしていて…俺に…)

椰「明枝?どうしたの?さっきからじっとこっちを見つめて…」
明「あ、ごめん…別に大した事じゃなくて、ただ、その…み…」
椰「み…?」
明「い、いやなんでもないから!気にしないで!」

 

 

自分は…今何を言おうとした? 
  

 


―みとれてた―   

 

 

 

明「~~っ!!」

明(これは…あの夢のせいで意識してしまっただけだ!…椰代とは伊吹や菜摘と同じ親友で…)

椰「……ねえ、明枝、顔が赤いよ?」
明「えっ!?あっ…うわっ…!」
動揺して自分の顔を手で覆うと、顔が熱いのが伝わった

 

明(駄目だ、このままだとどんどん気恥ずかしくなってしまう、
  少し距離を取って頭を冷やさないと椰代だって困惑するって!)

 

明「わ、悪いけど俺、具合悪いのかもっ!先に部屋に戻って…わっ!」
椰「明枝!」

 

慌てるあまり階段がすぐそばだったことも忘れ、足を踏み外しかけてしまったようだ、
気が付くと自分は腕を引っ張られて椰代の正面に抱き留められていたのだと気づく、

 

明「ごめん椰代、ありが……っ!?」
顔をあげると目の前の椰代が心配そうにのぞきこんでくる

 

椰「今日は変だよ、あか…し?」
椰代に今の自分の表情をバッチリ見られる、

 

明「は、離してよ…椰代!頼むから!」
気恥ずかしさも頂点間近で顔を思い切り横に背ける
椰「あ…ああ」
 


その後は何も言及されずいつも通りだった、椰代の顔が見れなかった事以外は
 


彼はどんな顔をしたのだろう、誤解されたかもしれない、
それで嫌悪の表情を浮かべただろうか?
…嫌だな、そんなの…と思う

 

明(こんな気持ちになるなんて…夢の中の椰代が
  自分を好きなように、自分も椰代の事を…?)
そんな事を心の片隅で考え、そっとしまい込んだ

 

椰「…明枝」

 

椰代に呼ばれたけどもう大丈夫だ、あの時よりは気持ちが落ち着いてきた、
自然に、今度は顔を見て会話していこう!そうすればいつもどおりに…

 

明「何?椰代」
椰「やっとこっちを向いた」
明「えっ?」

 

椰代が小さく何か呟いた気がした、そして…

 

椰「ねえここ、何かついてるよ?ほら…」
そう言うとするっと滑らかに自分の首元から顎下をなぞってきた

 

明「ひゃっ、あっ!?」
不意に悪戯っぽくくすぐられ、自分の身体が反応して跳ね、変に高い声が出る

 

明「な、何するんだよ!」
身体の力が抜けかけて小さく震えた、今のはまずかったかもしれない…

 

椰「ふふ、どうしたの明枝?また顔が赤くなったよ」
明「…っ!」
その顔は信じられない位恍惚としていた
明(椰代のこんな顔、初めて見た…)

椰「ああ、ごめんね、見辛くてちゃんと取れなかったよ、もっと…よく見せて?」


椰代が手をこちらに伸ばして近づいて身体を寄せてくる…
明「あ…椰…代…」
椰「明枝…――」
 


何かが付いてるなんて只の反応を見るための口実、それに気付いたところで遅かった
熱がこもったような椰代の声に呼びかけられ、次第に身体がゾクゾクしていく、
今度は顔どころじゃない、息さえも熱くなる、どうしてだか抵抗しようと思えない

 

もう否定のしようがなかった、考えれば考えるほど
自分は親友の椰代をそういう意味でも好きになってしまっていた、
でも椰代はそんな事気にせず好意的で、だったら…これも夢、なのか?

 


考えてる間に椰代にゆっくり迫られて押し倒されるような形になる、
そしてそのまま、お互いしかいない部屋のベッドの上で―――――…

 

 

明「……あれ?」
小鳥のさえずりが聞こえて目が覚めた

またあの時のような夢を見た気がする、あのまま椰代が好意の言葉を囁いてきて、
そして今度は…また思い出して悩ましい溜息が漏れる

 

 

明(ああ、もう…どんどん内容があぶなくなってる気がする)
椰「おはよう、明枝、また寝坊?そろそろ講義始まるよ」
明「はぁ…おはよ…椰代、行こうか」

 

…本当に夢だったのだろうか?これもまだ夢なんじゃないかと不安になる、だって…
隣にいる椰代の顔が

 

椰「明枝?どうしたの?さっきからじっとこっちを見つめて…」
明「あ、ごめん…別に大した事じゃなくて、ただ、その……なんでもない!」

 

 

また椰代の顔が見れなくなりそうだ、
こんな調子じゃ本当に困る、また頭を冷やさないと
椰「…」

 

 

椰「言葉にしか表せないのも悪い事ばかりじゃなかったね」

 

 

明「…それ、なんの話?」
椰「なんでもないよ、こっちの話」
 

 


何かを企んでいるような含み笑いが聞こえたが気のせいだと思う事にした、
このままいつもの変わりない平和な生活でいられる事を願いながら… 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

青い秋夏様より頂きました!(pixivより)

 

ED2後の自分的想像 椰代→→→←明枝で椰代×明枝な話
注意:BL表現有り、元の作品の明枝は喋らないので口調や一人称は自分設定
(モノローグは自分、話すときは俺)