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水牢
生を掴み取れ。
物語
潮風が頬をなでる。
陸からどれほど離れたのか、それを知る由もない。
見渡す限り続いている、海。
時折聞こえる汽笛が、今船上に居ることを思い出させる。
私たち、糸杉高校の生徒たちは修学旅行で
客船に乗っていた。
なんでもこの高校は昔から、目的地への移動手段と宿泊は
客船を貸しきってするらしい。
どこかへ抜け出そうとしても、ここは海の上。
行き場のない閉塞感にうんざりしていた。
たった3日間だ。
それでこの退屈な時間から抜け出せる。
そう自分に言い聞かせながら、遠くを眺めた。
これから最悪の3日間が始まるとも知らずに。
2015/12/26 水牢プレサイトオープン
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